食物アレルギーというのは、普段あまり耳にすることはありません。ところが世の中には、100人に1人位の割合でそんな人がいます。
事実、私の知人の中にもいるのですが、最初その子の症状を知った時にはびっくりしました。何せ、牛乳や卵など該当する食物を食べると、すぐ皮膚に湿疹が出るのです。うっかりそのまま放置すれば、救急車で病院行きです。
ここでは、そんな食物アレルギーの基礎知識編ということでご紹介いたします。
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食物アレルギーについて
食物アレルギーとは
人間の体内には、病原菌などから身体を守ってくれる免疫機能というのがあります。ところが食物アレルギー体質の人の場合、牛乳とか卵など普通の人には大丈夫な食物であっても、体内にある免疫細胞が過剰に反応してしまい皮膚に湿疹などのアレルギー症状が出るのです。
しかも湿疹程度ならばまだマシなほうで、該当する食物が腸で吸収されて血液で全身に運ばれると、湿疹や皮膚の炎症程度では終わらず呼吸困難など消化器官や内蔵機能にまで障害が起こってしまうという恐ろしい病気です。
食物アレルギーと間違えやす症状
牛乳を飲んだらお腹がゴロゴロとなったり、下痢になりやすいという人は日本人や東洋人には多いといいます。これは乳糖不耐症という症状で白人には何ともないのですが、有色人種に多い症状です。とりわけ、黒人となるともっとひどい症状になるといわれています。
その他にも、毒キノコを食べたりフグ中毒症なども食物アレルギーとよく似た症状が出ますが、乳糖不耐症と同様に食物アレルギーとは全く関係のない症状といえます。この場合は、免疫機能が正常に働いている証拠であり、通常の人であっても当然発症する症状といえます。
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食物アレルギーの原因
鶏卵・牛乳・小麦に多くみられる食物アレルギー
消化器官などが十分に発達していない子供に多くみられる食物アレルギーですが、とりわけ食物アレルギー体質の人の場合、鶏卵・牛乳・小麦などは3大アレルゲンとも呼ばれています。ただしその原因については、全面的にはまだ解明されていません。
そのかわり、これら3大アレルゲンにはタンパク質が含まれており、体内に入ったタンパク質が免疫細胞の過剰反応により異物として認識されることで、食物アレルギーを発症してしまうといわれています。
3大アレルゲン以外にもある食物
3大アレルゲン以外にも、蕎麦やピーナツ・えびやカニなどの甲殻類・バナナなどの果物にもアレルギー反応を示すことがあるといわれています。おまけに乳幼児から発症することが多いので、親御さんが自分の子はどの食物がアレルゲンなのかを十分把握しておく必要があります。
とりわけ、医師の指導を受けながら免疫細胞が過剰に反応する食物を、まずは食べさせないようにすることが何よりも重要です。
また、皮膚が炎症する程度に終わらず、くしゃみや咳・呼吸困難や腹痛・嘔吐といった症状に発展することもあるので、食べ物の徹底管理が必要です。とくに、保育園や幼稚園の給食は要注意です。
子供と食物アレルギー
乳幼児の頃から発症する
食物アレルギー反応は子供に多いといわれていますが、アレルギー反応は乳幼児から既に発症します。例えば赤ちゃんには、母乳だけでなく市販のミルクを飲ませることもよくあります。
その際に、母乳ではアレルギー反応がなかったのに、市販のミルクを飲ませた途端アレルギー反応が現れるということがよくあります。
おまけに、牛乳が手に付いた状態で子供に触れるだけでもアレルギー反応がすぐに出ます。それでおかしいな!と思って病院に行くと、食物アレルギー体質であると医師から教えられるというのが一般的なパターンです。
6歳程度で症状が治まる
子供というのは消化器官などがまだ未完成なので、食物アレルギーの大半が子供であるといわれています。ただし、年齢と共に消化器官も徐々に発達していくので、6歳頃には80%という高い確率で食物アレルギーが克服できるといわれています。
従って、それまでの時期というのは食物アレルギーを完全には克服できなくても、アレルゲンとなる食べ物を食べさせないといった予防策を講じることで、再発するリスクを下げるということが何よりも重要です。
いつ発症しても良いように予防を
食物アレルギーというのは、相当低い確率なので身内にでもいない限りはまるで他人事のようにさえ思ってしまいます。しかしながら、「自分の子供は大丈夫だったけれど、孫の一人に発症した」なんてこともあるので、対処法程度は知っておく必要があるでしょう。